猫の胃・腸の病気に関する情報

嘔吐・水溶便(下痢)・便秘等は消化器系の疾患の疑いとして真っ先にあがってくる症状です。人間でいう胃炎などはペットに起こるので、胃が痛むペットもいるということです。原因は大体の場合、他の動物との接触によるウイルスや細菌感染・食べ物によるものに絞られます。 嘔吐や下痢が続くと栄養素を消化・吸収できませんので、体力が落ち、免疫力が下がり他の疾患を併発する恐れや、栄養失調が心配になります。


猫は毛を舐めて毛づくろいをし、胃の中に溜まってしまった毛(ヘアボール)を吐き出す事がありますが、溜まり過ぎてしまい吐き出せなくなってしまう事があります。レントゲンで写らないので食欲が落ちて体重が減ってきた原因がはっきりしないまま様子をみてしまい更にヘアボールが成長して最終的には回復手術しかないというところまできてしまうケースも少ないですがあります。 また先天性の疾患がきっかけで併発しやすい病気に巨大食道症という疾患があります。食道の蠕動運動の際に広がったまま食道が戻らなくなってしまった状態です。そうなると食べたものがすぐに逆流して戻してしまう為、どんどん痩せていき衰弱してしまいます。また嘔吐が続くと、それが肺の方に流れて肺炎を起こしたり、食道を爛れさせたりと色々な不具合が生じます。長く続く嘔吐や下痢は要注意です。



» 猫の巨大結腸症

猫のの症状と原因 巨大結腸症とは、腸の壁にある神経が機能しないために腸が正常に働かず、ぎゅっとしぼんだままになり、その口側の腸が張ってしまう病気です。老齢の猫や衰弱した状態、換毛期の長毛種に見られます。食事や環境の変化によるストレス、誤飲した異物や神経障害も要因となってきます。何度も排便をしようとしますが便は出ない状態が続き、重い便秘の症状が現れます。先天的な障害が多いと考えられています。巨大結腸症は、長期にわたり便秘の状態が継続してしまい、結腸の弾力性が失われて異常に太くなった状態をいいます。 事故による骨盤狭窄や上皮小体機能亢進症による骨盤発育不全による通過障害からも起こります。 。 排便姿勢をとっても粘膜・軟便が少しだけ出るだけだったり、下痢と間違えるケースもあります。尿の出ない尿閉との選別が必要となってきます。力んだ時に、嘔吐する時もあります。猫を横に寝かせ腹部を触ると糞塊が触れる事ができます。また、母親のいない子猫では、便が出づらい状態になることがあります。 犬のの治療方法・対策 外便の太さが骨盤の広さを超え量も多い場合、多量のかん腸液を肛門から結腸内に入れて便を柔らかくした後、おなかの皮膚の上から大きな便の塊を、指を使って少しずつ崩し同時に肛門から指を入れて少しずつ便をかき出します。 母親のいない子猫の便秘は、肛門を刺激してあげれば排便することがあります。予防には何よりも食事管理が大切です。特に食物繊維の多い食事は、便のボリュームを増し、大腸の働きを活発にしてくれます。毛球から起こる便秘には、専用の薬剤が市販されております。子猫にグリセリン系の浣腸は、脱水症状になって危険ですので注意を要します。

» 猫の腸閉塞

猫のの症状と原因 腸管内容物が通過障害を起こすことを腸閉塞と呼びます。原因によりまして機械性イレウスと機能性イレウスとに分けられます。機械性イレウスは、骨折・毛糸・ラップなどを飲み込むことによって起こります。機能性イレウスは、細菌性腸炎・ウイルス性腸炎に続発して起こる腸管事態の神経麻痺によると考えられます。症状は、腸の動きが妨げられて、嘔吐が起こります。閉塞の程度が激しければ、元気消失・食欲低下になります。腹痛・排便の途絶が起こり衰弱が激しくなります。 犬のの治療方法・対策 外科的手術によって腸内から異物を除去します。また、閉塞している部分が特定できないときは内科治療を優先する場合がありますが、ほとんどの場合は緊急を要するので開腹手術で体内の状態を確認することが多いです。

» 猫の直腸脱

猫のの症状と原因 腸の一部が肛門から体外に出てしまう病気で、脱出した腸は自力ではなかなか戻らず、乾燥し壊死してしまうため、早期の整復処置が必要になります。もし出てしまったときには腸が乾燥しないように湿らせておき、急いで病院に連れて行く必要があります。 犬のの治療方法・対策 発症してからの時間が短い場合は患部を冷やし、腸を体内の正常な位置に戻してあげます。ただ、再発しそうな時は肛門を一時的に縫合し腸の再脱出を防ぐ必要があります。

» 猫の便秘

猫のの症状と原因 老齢の猫は、運動力も低下する為に、腸の運動力も低下し便秘をする事があります。老齢の猫ではなく、まだ元気な猫が排便時に苦しそうに力んでいたら、重症の便秘か大腸炎による下痢があげられます。硬くて黒い便が出る時は病気が原因の便秘で、柔らかい粘液状の便に血液が混じっている(血便)があれば大腸炎が疑われています。又猫は毛づくろいをするので、その時に口から毛が入り、詰まって便秘を起こすこともあります。 猫のの治療方法・対策 初期の便秘の場合は、繊維質の多い食事を取って、腸を刺激すると改善することもあります。乾燥した食事が多ければ、水分を十分取らせるようにします。便秘が起こるとネコは脱水症状を起こします。その為、点滴や皮下注射によって失われた水分を補給します。 巨大結腸症、骨盤骨の狭窄などの場合には、外科的な処置によって、広がった腸を切除したり、狭くなった骨盤を広くする処置を行い場合もあります。この場合は、鎮静、あるいは麻酔をして、直腸から指を入れて糞塊を少しずつ砕きながら除去していきます。 便がかたいケースは、便を軟らかくするような薬を使うことがあります。力んで出にくい場合は、少量の浣腸を行うこともありますが、出ないのに無理に使うと腸に損傷を起こすこともありますので気をつけてください。事故や先天的な問題によって、便意が起こらない猫の場合は、飼い主さんの手によって、定期的に排便させてあげるようにすると良いと思います。普段から便の状態をよく把握している事が病気の早期発見にもつながり大切なことです。

» 猫の急性胃腸炎と胃潰瘍

猫のの症状と原因 胃から腸へかけての粘膜の炎症をいいます。ネコ伝染性腸炎ウィルス・コロナウィルスの感染・細菌感染によるケース・原虫性あるいは寄生虫感染・化学薬品の誤飲なども原因の一つです。肥満細胞腫や肥満細胞血症などの腫瘍の二次病変としても起こり得ます。胃において、粘膜がびらんとしたり、部分欠損の場合を胃潰瘍と呼びます。症状では、下痢が主体ですが、主に胃や小腸の炎症がある時には嘔吐を伴うことが多いです。急性の病気であるネコ伝染性腸炎では、ショック状態に陥ることがあるので早期の血液検査が必要です。 症状が比較的軽い場合は、内服薬で様子を見る事もあります。ただ、下痢や嘔吐が続いている場合は脱水症状を治療するために水分を点滴や皮下補液で補います。同時に下痢・嘔吐を止めるために内科治療を施します。最近、子猫の下痢では原虫疾患であるジアルジアの感染が増えているので、子猫が家に来たら健康診断と新鮮便による検便が有効で、予防できるウィルス性の病気もあるのでワクチンの接種が必要になります。 猫のの治療方法・対策 腸閉塞は緊急疾患です。まず、ネコの脱水状態を軽くするための輸液を行います。その後に腸の外科的整復手術を行います。腸の状態に異常が無ければ腸管を元に戻しただけで終わることもあります。

» 猫の腸重積

猫のの症状と原因 猫は普段から草を食べて嘔吐したりするので、嘔吐はたいしたことはないと放置しがちです。ただ嘔吐や食欲不振を起こす重大な疾患の一つとして腸重積があります。腸管腔の中にそれに連なっている腸管の一部が反転してはまり込み、外と中に重曹した腸の状態でこれによって腸管内の内容物が通過できなくなってしまう現象が腸重積です。大腸炎などの重い下痢が続いた時や腸が寄生虫に感染したときなどが発症の原因と考えられます。 多くは腸管が肛門側い向かってはまり込みますが、中には逆のことも起こります。この腸重積はどこの部位の腸でもおき、空腸・回腸の辺りに起こります。腸重積によって腸管内の内容物がその部位を通過できなくなった状態や別のなんらかの原因で腸の通過障害がおきてしまいます。激しい腹痛にみまわれ、ネコはお腹をかばうような格好をします。その後は水分補給をしなくなり脱水症状に陥ります。何度も排便の仕草を見せますがほとんど便は出ないか、水様性の便しか出てきません。 猫のの治療方法・対策 腸閉塞は緊急疾患です。まず、ネコの脱水状態を軽くするための輸液を行います。その後に腸の外科的整復手術を行います。腸の状態に異常が無ければ腸管を元に戻しただけで終わることもあります。

» 猫の慢性胃腸炎

猫のの症状と原因 慢性胃腸炎とは、胃粘膜への刺激が繰り返されたり持続することにより、慢性的に胃が炎症を起こしている状態をいいます。胃粘膜が食物抗原・化学物質・薬物・病原体などに繰り返しさらされることや、アレルギー的な要因が原因となります。症状には、嘔吐がみられています。嘔吐は食事とは関係なく起こり、併せて粘膜のびらんや潰瘍が起こってくる場合には、血を吐いてしまったり、黒っぽい便がみられることがあります。食欲不振・体重減少・腰痛などを起こします。また、毛艶が悪くなったりもします。原因としては毛球病という毛長のネコに見られる病気が誘発する場合があります。 猫のの治療方法・対策 対処療法として下痢・嘔吐を緩和させ、病気の根本にあたる原因を治療します。薬によって腸や胃などの毛玉を吐き出させたり、腸内の寄生虫を駆除したりします。食事療法としまして、刺激が少なく炭水化物を多く含む食物を少量ずつ頻回に与えるようにします。また、制酸薬や制嘔薬、粘膜保護薬を投与したり、抗菌薬や免疫抑制薬を投与する必要が生じる事もあります。

» 猫の胃捻転

猫のの症状と原因 胃捻転になったら緊急の治療が必要となります。胃がねじれてしまい食べ物や水分が動かなくなり、腹部にガスが溜まっていき、ネコは激しい腹痛に襲われます。胃捻転の症状の一つには脱水症状も上げられます。急にお腹が膨れて元気が無くなった時には要注意です。 胃の捻転の程度にもよりますが、胃の入り口である噴門と出口である幽門が閉塞するため、一般に食後1~4時間以内で胃内にガスと胃液が充満して腹部が異常に膨満してきます。 猫が吐こうとしても吐物が出ない状態が続いて、呼吸音が荒くなります。血色を示す口腔粘膜の色調は白く退色してしまい、脈圧が低下するなどショック症状を起こします。放置してしまいますと数時間で死亡してしまう状態になってしまいます。 猫のの治療方法・対策 胃捻転と診断されたら直ちに緊急の開腹手術を行い、ねじれていた胃を正常な状態に戻してあげます。併行して脱水症状などの内科治療も行います。診断後は速やかな処置が必要になります。応急的な胃内の減圧処置やショック症状への対処ができ次第、外科手術によって胃のねじれを解消して元の場所に整復・固定を行います。ねじれによる胃のダメージは時間経過と共に取り返しのつかない程の深刻なものとなります。 手術時に捻転の正副とともに胃壁の固定を行い、再発を防ぎます。 再発もよく起こる為、食餌内容や給餌回数など食習慣の工夫が必要になります。給餌回数を日に一度にしないことと、慌てて食べてしまうワンちゃんに関しては少量の食餌を頻回に分けて与えることをお勧めします。
猫の年齢表
(年) 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
大型犬
(歳)
1 5 10 20 27 33 39 45 50 55 60 65 70 74 78 82 86 90 93 96 99 102 105

※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。