猫の脳・神経系の病気(脳病・神経病)に関する情報
神経系の病気とは言っても、そのほとんどは脳神経の障害によるものです。その中でも最も多くの割合を占める病気が、てんかん発作です。また、脳の障害以外でも近年増えてきている脊髄神経の病気に椎間板ヘルニアがあります。
これら神経系の病気に多く見られるのは、運動失調という、ちゃんと立てなくなったり歩き方がおかしくなったりする行動面の異常、それまでと比べて元気がなくなったり無気力になったりする虚脱や逆に急に興奮したり攻撃的になる精神面での異常、そして脚や腰などの麻痺です。早期発見が重要な病気なため、おかしいと感じたら獣医の診察を受けましょう。
多くのケースで先天的な要因が関わってきますが、外傷や、細菌・ウィルスの感染のような後天的な理由によるものもあります。また未だ原因不明なものも存在します。
対処法は、薬の長期に渡る処方や、運動制限などを行いますが、状態が進行していると行える場合には外科手術を行うこともあります。もちろん状態が安定してもリハビリテーションが必要なこともあります。"
» 猫の椎間板ヘルニア
猫のの症状と原因 椎間板ヘルニアは、脊椎(頚椎から尾椎まで)において、骨と骨の間でクッションの役割を行なっている椎間板が飛び出してしまい、神経を圧迫する病気です。6歳以下の比較的若い年齢に起こることが多く、治療を行なっても後遺症が残る可能性があります。 神経が圧迫される事により、神経の伝達が正常に行われず、痛みを感じたり、歩行障害が起こったり、体中に麻痺が起こったりします。最悪の場合、死に至る事もあるので、一刻も早く診察を受ける事が大切です。 猫のの治療方法・対策 慢性腎不全は治る病気ではありません。失われた腎臓の機能が回復する事はないので、食事療法や内科療法を行い、残された腎臓で生活していく事になります。また、家庭で輸液療法を行なうケースもあります。
» 猫のてんかん発作
猫のの症状と原因 てんかんは、突然、手足を突っ張らせて倒れ、痙攣を起こします。口から泡を吹き出して歯をカチカチ鳴らし、気を失うこともある脳の疾患です。てんかんの発作は、繰り返し起きるのですが、年に数回起きるケースもあれば、ひと月に数回の事もあり、猫の状態により変わってきます。また無治療のままですと、発作の頻度は増えてくる場合もあります。基本的には慢性の疾患として一生涯付き合っていくようになります。発作は数十秒から数分でおさまりますが、痙攣が5分以上続いた場合は要注意です。原因は先天的なものと脳の病気やケガによって引き起こされます。 猫のの治療方法・対策 てんかんの診断は、てんかんのような発作を起こす様々な違った病気を全ての病気を除外することによって始め診断されます。原因がはっきり判る場合はその治療を行いますが、繰り返し発作を起こすときは抗けいれん薬を投与し症状を抑えます。但し、抗けいれん薬は副作用が強いので飼い主は注意深く予後を観察する必要があります。
» 猫の脳炎・脊髄炎
猫のの症状と原因 脳炎・脊髄炎はウイルスや細菌・真菌などによって脳や脊髄が炎症を起こした状態です。脳や脊髄の組織が破壊されると発熱や発疹、麻痺、痙攣などの神経症状が見られます。 原因として ①伝染性腹膜炎 ②猫エイズ(免疫不全症) ③クリプトコッカス症 ④トキソプラズマ症 ⑤フィラリア症 などがあげられます。 猫のの治療方法・対策 治療方法は、いずれも薬物療法が主でそれぞれの病原体に応じた抗生物質・輸液・利尿薬・抗けいれん薬などの投与を投与します。これらの初期症状は風邪と似ているため、発見が遅れて後遺症が残る事があります。
» 猫の肝性脳症
猫のの症状と原因 毒物が脳内に入る病気です。よだれを垂らし痙攣発作を起こします。そのほかさまざまな神経症状を起こします。有害な物質を肝臓で分解できない状態になり血液中にアンモニアなどが混じって全身を巡回し、やがて脳にも入りこんでさまざまな異常を引き起こしてしまいます。 猫のの治療方法・対策 アンモニアを出来きにくくする薬を投与して、低タンパクの食事を与えます。外科的治療によって血管手術を行う場合もあります。
» 猫の小脳の形成不全
猫のの症状と原因 小脳は運動をつかさどる大切な器官です。ここに病変が起こると平衡を保ったりできなく、立つとよろけ、体の動きが不自然になります。母猫が妊娠中に汎白血球減少性ウィルスに感染することで、胎児は小脳の障害に陥ります。 猫のの治療方法・対策 治療する手段が無いのが現状ですが、ほとんどの症状は悪化しません。成長と共に改善される場合もあります。
» 猫の水頭症(水痘症)
猫のの症状と原因 猫の水頭症は犬に比べて発生率は低いものです。子猫の頭部が異常に大きく、頭頂部の頭蓋が開いていたりする場合は、過剰に脳脊髄液が貯留している水頭症の可能性があります。症状は失明したり、急に興奮したり、一定の円を描いて回ったり、壁に頭を押しつけて、時には痙攣発作を起こしたりします。脳脊髄液が流れにくくなり大脳が圧迫されているための障害です。 先天性水頭症の原因は、胎児期に何らかの損傷が脳に起こる場合、シャムネコなどにおいては常染色体劣性遺伝形質を示す場合などがあります。後天性水頭症では、伝染性腹膜炎ウィルスなどによる感染からの併発や腫瘍・交通事故などによる頭部外傷があげられます。 猫のの治療方法・対策 診断は泉門が開いている場合には超音波検査により脳脊髄液が貯留した脳室を確認することができます。子猫に限らず成人した猫(後天性水頭症)においても水頭症は起こります。犬のように脳室や腹腔内シャント術が適応となる場合もある場合も稀にあります。脳圧を下げるために副腎皮質ホルモン薬と利尿薬を与えます。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |