症状と原因
腎臓には血液をろ過するネフロンという組織があります。これが、腎臓の炎症に伴い約75%以上が破壊され、正常な働きが出来なくなる状態を腎炎といいます。この腎炎には急性のものと慢性のものがあり、急性腎炎の症状は、食欲不振、嘔吐、下痢、早期に尿の量が減る、尿が濃くなる、血尿、患部の痛みなどが見られます。また悪化すると逆に尿の量が多くなります。更に尿毒症になる恐れもあります。
急性腎炎を発症する原因はウイルスや細菌の感染によるものです。他に、子宮蓄膿症や糸状虫症等の病気から発病することもあります。慢性腎炎の症状は特にありません。その為、定期健診や、他の病気による尿検査で見つかる事がほとんどです。ただし、症状がないとは言え進行すると心不全に繋がる為、早期発見が重要となります。慢性腎炎を発症する原因は、急性腎炎から移行するケースもありますが、大半は老化による腎臓組織の変化です。診察はBUN数値、クレアチニンを計るによる血液検査や、尿検査によって行います。バイオプシー検査を行うケースもあります。
治療の方法
どちらの腎炎も特効薬はない為、可能な限りネフロンの破壊を防ぎ、症状の進行を食い止める処置が行われます。主に体液と構成が近い成分を持つ水分や栄養を点滴し、血液中の有害物質を排出させます。他にも運動制限をしたり、高カロリー低タンパク質の食事を与える食事療法、急性腎炎にはワクチン接種を行ったり、慢性腎炎にはカリウム剤やホルモン剤を投与する事もあります。また、発熱や脱水が見られれば、抗生剤や輸液剤を与える場合もありあます。