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犬の骨と関節の病気
犬の骨や関節の病気は、主に怪我による骨折や脱臼など、事故の際の外傷です。骨折の多くは怪我によるものですが、脱臼の中には遺伝性・先天性の要因で起こるものがあります。
また事故や遺伝の要素がなくても、偏った食生活や老化によって骨や股関節などに病気を発症することがあります。たとえば「くる病」。この病気はカルシウム不足により骨の成長に異常をきたします。また同様にカルシウムが不足すると骨折や脱臼をしやすくなります。それぞれペットの種類や年齢にあったご飯を与えてあげてください。
他にも、過度な運動が骨や間接の病気に繋がることもあるようです。もちろん、運動をすることは健康に良いことですが、犬種や個体差によって、運動による体への負荷は変わってきます。どの犬種でも、同じ年齢であれば同じ運動ができるというわけではありません。過度な運動は「股関節形成不全」や「椎間板ヘルニア」などを発症させる恐れがありますので、その子に合った適切な運動を心掛けましょう。
症状としては足を引きずる、片足を上げる、運動や散歩を嫌がる、足に触られると痛がる、動こうとしない等があります。これらの症状が見られたり、激しい転倒や、高いところから落ちたり、何かとぶつかって足を強く打ちつけた場合には、今後のペットの生活に悪影響を与えないためにも早めに動物病院で専門家に診察・検査を受け、治療を行いましょう。
犬の病気 症状別一覧 |
» 犬の骨盤骨折
犬のの症状と原因 犬の骨折のなかでも多くを占め、交通事故など外部からの力によるものが圧倒的に多いです。通常は、複数の骨が骨折しています。後肢をひきずる、歩行ができないなどの運動障害がみられ、あわせて排尿、排便の障害も多く見られます。椎間板の疾患ときちんと診断して区別する必要があります。 犬のの治療方法・対策 骨盤は骨格が箱のような構造になっているので骨折を起こした場合には通常、多発性に骨折します。治療は当然、解剖学的に本来の位置関係に整復することが最も望ましいと考えられます。しかし、運良く?骨折を起こした骨盤の形態が排便や後肢の運動に問題を起こす可能性がない場合には保存的な治療(何もしない)が選択される場合もあります。
» 犬のひざの前十字靭帯の断裂
犬のの症状と原因 靭帯が切れてしまい体重が掛けられなくなり、突然後ろ足を上げて歩くようになります。原因は事故によって靭帯が切れてしまうこともありますが、近年では加齢により靭帯が弱くなったり肥満からくる膝への負担増によって引き起こされる事例が多いようです。 犬のの治療方法・対策 外科的手術によって治療を行います。治療をしないでいると、2~3週間のうちに変性性の関節炎を引き起こすので、出来る限り早く手術を行います。
» 犬のレッグ・カルベ・ペルテス病
犬のの症状と原因 大腿骨の頭への血液供給が悪くなり、壊死してしまう病気で、小型犬の1歳未満の若い子によくみられます。大腿骨が成長する時期に、関節周囲の構造に炎症が起こり、血液供給の悪くなった大腿骨頭は、骨が縮んで変形して、股関節をつくる骨盤の骨と形が合わなくなってしまいます。悪い方の後肢を上げていることが多く、そのため歩様は3本足で、歩きにくそうにします。症状が進むと筋肉の萎縮も起こってきます。 犬のの治療方法・対策 大腿骨頭の変形が少なく、症状が軽ければ保存療法をとる場合もあります。この場合は徹底した安静管理を4〜6ヶ月行い、こうした管理をしていればほとんどは回復します。また、外科的治療では、壊死した大腿骨頭を除去して、新たに関節を形成する手術を行います。
» 犬の股関節形成異常
犬のの症状と原因 股関節が変形して歩き方がおかしくなります。遺伝的要素もありますが、成長する環境での変形も考えられます。シェパード、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、秋田犬などの大型犬・超大型犬で発生が多く、成長期の栄養のアンバランスが、骨および筋肉の正常な発育を妨げる事も遺伝的要因を助長しているといえます。症状は体重が増加し、活動性が高まる生後4ヶ月~1歳齢から明らかになってきます。小型犬の場合、股関節の形成不全がおこっても、体重が軽いため骨格への影響が少なく、症状が出るまでには至らないことが多いでしょう。 軽症の場合から歩行不可能なものまで、症状は多岐にわたりますが、一般的には痛みのために、犬座姿勢(普通のお座り)をせず横座りになり、あまり動きたがらず、関節運動が不安定なために、歩行時に体の後部が揺れる、等がみられます。 犬のの治療方法・対策 この病気も病状の進行状況に合わせた治療が一般的です。症状が軽い場合は生活習慣を変えてあげたり、安静にさせてあげたりするだけで病状が良くなる場合がありますが、ある程度の進行が見られる場合は 鎮痛剤や抗炎症剤などの内科的治療を行います。最終的に病状の回復が見られない場合は外科的治療によって処置を行います。
» 犬の椎間板ヘルニア
犬のの症状と原因 ビーグル、シーズー、ダックスフントなどビーグル、シーズー、ダックスフントなどの犬種に多いのが「椎間板ヘルニア」。これは、背骨(脊椎)を形成するたくさんの「椎骨」をつなぐ「椎間板」が老化して固くなり、外に突き出たり、椎間板内の「髄核」が外に噴出したりする病気です。 この椎間板ヘルニアになると、背骨の上を走る神経細胞(脊髄)を圧迫して神経マヒをおこさせ、その部位によって、前足や後ろ足がマヒします。神経マヒがひどくならない前に発見して治療すれば治ることが多いのですが、手遅れになり、神経細胞が壊死してしまうと、完治は難しくなります。 犬のの治療方法・対策 病状によって治療方法が異なってきますが、症状が軽い場合は副腎皮質ホルモンなどの内科的治療によって治療をおこないます。重い症状の場合は外科的手術によって骨の一部を除去する場合がありますが、必ずしも予後が良好とは言えないので詳細な診断が必要です。 犬のの関連情報 ★椎間板ヘルニアのリハビリ方法 マッサージ→(四肢や幹部を擦るようにマッサージ) 屈伸運動→(足をゆっくり屈伸させる) タオル歩行→(タオルで支えて歩行訓練) 温浴リハビリ→(温浴に浸かりながら徐々に足を動かしてあげる) 指圧→(幹部を刺激する程度) 肉球指圧→(足裏の肉球を優しく揉んであげる) ★注意しておきたい犬種 アメリカンコッカースパニエル ウェルシュ・コーギー シーズー ミニュチュア・ダックスフンド ビーグル フレンチブルドック ペキニーズ など
» 犬の股関節脱臼
犬のの症状と原因 ある日、突然歩行に異常がみられる(足を引きずったり、足を上げて歩くなど)事があります。交通事故や落下事故などで、骨同士をつないでいる靭帯が切れて、大腿骨がくぼみから外れてしまうと脱臼が起こります。大型犬の場合は先天性の原因が多いようです。 犬のの治療方法・対策 骨折をしていない場合は、全身麻酔をかけて皮膚の上から関節を元の状態に修復します。また、骨折などの症状が見られる場合は切開手術によって直接、股関節を修復する場合もあります。 犬のの関連情報 ★大型犬の飼育の場合、どうしても注意してほしいことがあります。それは仔犬が暮らす部屋の床のことです。普段は外で飼育する場合はとくに問題ございませんが、室内で飼う場合大型犬に滑りやすい床は禁物です。乳を吸う時でも這う時でも足が滑ってしまいます。 滑る状態で暮らしていると、まず間違いなく股関節が悪くなります。また、股関節形成不全の誘因につながり、股関節脱臼の原因ともなります。この症状は一度なったら治療はすごく大変で、あるいは治らないかもしれません。 そのため、床の状態は要注意です。もともとの床がフローリングの家が多いので、カーペットを敷くなどの対処が必要です。はじめて大型犬を飼う人はこのことをぜったいに忘れないで欲しいと思います。 ★注意しておきたい犬種 アメリカンコッカースパニエル ラブラドールレトリバー ジャックラッセルテリア ウエスティ ゴールデンレトリバー
» 犬の膝蓋骨脱臼
犬のの症状と原因 犬の膝蓋骨脱臼とは、後肢にある膝蓋骨(いわゆる膝のさら)が正常な位置から逸脱した状態を指します。内側にはずれる内方脱臼と外側にはずれる外方脱臼がありますが、その発症頻度は圧倒的に内方脱臼が高いです。 すべての犬種に発生がみられますが、とくに内方脱臼はヨークシャー・テリア、ポメラニアン、トイ・プードル、シー・ズー、チワワなどの小型犬種に多く、外方脱臼は、大型の犬種にまれにみられます。 先天性と後天性にわけられ、先天性のものでは出産時から膝関節周囲の筋肉や骨の形成異常や靭帯の付着部の異常などが存在し、加齢とともにこれらの異常が進行して膝蓋骨の脱臼を招く結果となっています。 後天性のものでは、打撲や落下などによる外傷性の原因で膝蓋骨周囲の組織に損傷が生じたり、骨に関連する栄養障害などによって骨の変型が生じた結果、発生します。 犬のの治療方法・対策 年齢や症状によっては放置する場合もあれば、内科的療法、レーザーなどの理学療法、外科的手術を行うなど、治療は様々です。症状が軽い場合は内科的療法とともに運動制限し、また肥満傾向の場合は減量などを併せて行うことで症状の進行を防止します。 犬のの関連情報 ★膝蓋骨脱臼の予防法膝蓋骨脱臼は、犬にとってとても重大な遺伝的欠陥のひとつと見られています。今現状ですでに脱臼を起こしている場合はまず、繁殖させないようにしてください。室内で飼育している場合は、足に負担の掛からないように、床を柔らかいマットに変えるなどして、なるべく病状の進行が進まないようにしましょう。 また、成犬の場合は自分で脱臼を直したりするので、外れている時と収まっている時では歩き方に変化が見られるので、その変化を見逃さないように気をつけてください。そして、足に負担が掛からないように肥満には注意してください。足を動かさなくなるとその周りの筋肉が縮小してやがて歩くことを止めてしまう可能性もあります。 ★注意しておきたい犬種 キャバリア シーズー 柴 ミニチュア・ダックスフンド チワワ パグ パピヨン プードル ペキニーズ ボストンテリア マルチーズ ヨークシャテリア
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |