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犬の神経系の病気
神経系の病気とは言っても、そのほとんどは脳神経の障害によるものです。その中でも最も多くの割合を占める病気が、てんかん発作です。また、脳の障害以外でも近年増えてきている脊髄神経の病気に椎間板ヘルニアがあります。
これら神経系の病気に多く見られるのは、運動失調という、ちゃんと立てなくなったり歩き方がおかしくなったりする行動面の異常、それまでと比べて元気がなくなったり無気力になったりする虚脱や逆に急に興奮したり攻撃的になる精神面での異常、そして脚や腰などの麻痺です。早期発見が重要な病気なため、おかしいと感じたら獣医の診察を受けましょう。
多くのケースで先天的な要因が関わってきますが、外傷や、細菌・ウィルスの感染のような後天的な理由によるものもあります。また未だ原因不明なものも存在します。
対処法は、薬の長期に渡る処方や、運動制限などを行いますが、状態が進行していると行える場合には外科手術を行うこともあります。もちろん状態が安定してもリハビリテーションが必要なこともあります。"
犬の病気 症状別一覧 |
» 犬の肝性脳症
犬のの症状と原因 食欲不振・多量の水を飲み、尿をする・マヒ状態になる・発育不全・体重減少・運動失調など症状は多種多様なものです。先天性の障害により、本来血液中の毒素を肝臓で処理してから体内に循環させるはずのですが、生まれつき血管のつながり方がおかしいために、肝臓で処理していない血液が脳にも流れ毒物に侵されてさまざまな異常を起こすことをいいます。 犬のの治療方法・対策 外科的手術によって血管のつながりを修復します。
» 犬の小脳障害
犬のの症状と原因 動作に不審なところが見受けられるようになり、歩幅や運動の強さを調節できなくなります。また、なんらかの行動に移るときに体が震えてしまうのが特徴です。原因は先天的なものや、外傷・細菌ウィルス感染・栄養不足・老化などのさまざまな原因が考えられます。 犬のの治療方法・対策 原因によっては治療できない場合もありますが、細菌ウィルスによる障害の場合は感染症に対する治療を行います。
» 犬の痴呆
犬のの症状と原因 犬も人間と同じように高齢化が進み、加齢による痴呆が見られるようになりました。犬の痴呆は、脳の神経細胞が衰退し、感情が乏しくなり、運動能力が低下し、今までに学習した事を忘れ、周囲とのコミュニケーションがとれなくなる状態の事です。痴呆は15歳以上の犬に非常多く、平均すると、およそ13歳頃から症状が出始めます。交感神経の機能に不具合が起きる事によるものですが、その原因は判明しておりません。現在は、老化や遺伝によるものだと推測されています。痴呆は柴犬など、日本犬に多く見られるようです。水頭症や脳腫瘍などによる脳障害に関しては、その病気が原因となります。 主な症状は、ぼんやりしている、昼夜が逆転した生活、ひどい夜鳴き、自分や飼い主の事がわからなくなる、無反応、歩行障害(円を描くように歩く、直進行動しかとれない、後ろに下がれない、など)、失禁、ちゃんと食事をとっているにも関わらず体重が減っていくといったものがあります。愛犬が10歳を越えていて、このような症状に当てはまる点があれば、獣医に診てもらいましょう。 犬のの治療方法・対策 決定的な治療法はありませんが、初期であればEPAとDHAを豊富に含む食事や、サプリメントを与える事で改善が期待できます。また、夜鳴きをするようであれば日光浴を。徘徊するようなら、風呂マットを何枚か丸くつないだ自作のエンドレスゲージを作り、床には「クッション」や「おねしょマット」を敷いて、その中で過ごさせるようにしましょう。アルツハイマーの場合、犬に使用する認可が下りている薬もあるため、場合によっては獣医師の判断によっては使用する事もあります。
» 犬のてんかん発作、心臓発作
犬のてんかん発作 突然体が突っ張り、口が小刻みにガクガクしてよだれや泡を出し、便や尿を漏らしてしまうこともあります。治まるまでの時間は、短ければ30秒から1分程度、長ければ30分か ら1時間かかることも。そして、発作が治まってしまうと、何にもなかったように元に戻るのが特徴です。 発作の最中は、慌てて体をさすったりしてしまうと、かえって神経を興奮させて発作を長引かせてしまうので、体に手を添えてあげる程度で、手足をバタバタしていても、無理に押さえないことが大切です。てんかんは、お薬の必要がない場合もあれば、生涯お薬を必要とする場合もあります。獣医師さんの診断を仰ぎましょう。 てんかんは発作が反復して起こる脳の病気なのです。発作を起こす原因は様々ですが、反復する発作があり、てんかんと診断されることは犬や猫でも少なくないはずです。 脳神経症状の中で一番多く来院されるのが「てんかん症状」です。 発作は脳の異常な電気的な放電によって起こる一時的な脳の障害で、感覚、行動、記憶や意識が変化します。筋肉の収縮が続いたり、繰り返し起こる痙攣は発作の1つの型です。 犬の心臓発作 発作が起きると、急に腰が抜けたようになって座り込んでしまったり、バタッと倒れて動かなくなってしまったりする。最近、動きが鈍くなったと感じているようなら、年齢のせいなどにせず検診を受けた方がいいでしょう。 発作は脳の異常な電気的な放電によって起こる一時的な脳の障害で、感覚、行動、記憶や意識が変化します。筋肉の収縮が続いたり、繰り返し起こる痙攣は発作の1つの型です。 犬のの治療方法・対策 脳の疾患か、脳以外の疾患か、あるいは行動学的問題か、様々な検査で確認を行う必要があります。そして可能な限り原因に対する治療を行います。原因が不明なてんかんでは、抗てんかん薬で長期の治療を要します。 ★てんかんを発生しやすい犬 ミニチュアダックス ゴールデンレトリバー コッカースパニエル ビーグル ラブラドールレトリバー シベリアンハスキー シェルティ アイリッシュセッター キャバリア その他
» 犬の水頭症
犬のの症状と原因 頭蓋骨の内部には脳質と呼ばれる空間があり、脳脊髄と呼ばれるクリアな水のような液体が満たされています。様々な要因で脳脊髄液が増えて溜まると脳室が大きくなって圧迫され、多くの神経症状が起きます。 水頭症には (1)脳室内に脳脊髄液が異常に貯留し、その結果脳室の拡張を生じ、脳組織が圧迫されて種々の障害を生じる内水頭症と、(2)くも膜下腔に脳脊髄液が貯留して同様な障害を生じる外水頭症の2種類があります。 チワワ・ヨークシャテリア・トイプードル・などの小型犬、あるいはボストンテリア、ペキニーズなどの短頭種に多発する傾向があります。 先天性水頭症の主な症状は、嗜眠・活動性の低下・発作・痴呆・行動異常などの意識障害・不全麻痺・斜視・眼球振とう・筋硬直などの運動障害・視力障害・姿勢反応異常などの知覚障害などです。出生直後あるいはしばらくして、泉門の拡大や骨縫合線の離開を伴った頭蓋の拡張は早期に指摘できますが、神経症状は一般的に最初から伴わず、後になって発現するため、すぐにはわかりません。 後天性水頭症では症状は進行性の場合が多いと考えらますが、特徴的な原因はありません。 犬のの治療方法・対策 診断は特徴的な症状、レントゲン検査、CTスキャンで行われます。脳炎があるかどうかは脳脊髄液の検査で調べ、症状のないものは治療は必要ありません。症状のあるものでは、薬物療法で脳脊髄液を少なくしたり、手術によって脳脊髄液を他に流す処置を行うこともできます。
» 犬の椎間板疾患
犬のの症状と原因 椎間板疾患とは、椎間板物質が脊髄神経の真下その付近にヘルニアを起こし神経部分を圧迫されて加わってしまった状態です。一瞬で起きるケースもあれば、何年も負担をかけて徐々に発生する慢性のこともあります。先天性や不規則な体勢を続けたりと要因は様々です。 椎間板の成分がやわらかくて柔軟なゲルの状態から硬い結晶状へと変化する事が知られています。硬い物質が脊髄をゆっくりと圧迫して、急激に脊柱管内に入り込むことがあります。脱出を起こした椎間板が脊髄の真ん中あたり(胸腰部)である場合は前肢の神経は影響を受けないので前肢は正常なままでいられます。ただ後肢は様々な程度に影響を受けることがあります。 症状は、軽いものから重度のものまであり、軽いものでは歩行をいやがる、過敏になる程度ですが、重度のものでは、歩行不可能な足の麻痺・痛覚もなくなる完全な麻痺・千鳥足・排便、排尿の障害などがみられます。 脊椎は、いくつもの骨(椎骨)からなって柔軟な構造になっており、椎骨間にショックアブソーバーの役割をする椎間板という円板が存在します。これが堅くなって飛び出て神経を圧迫するのが椎間板疾患です。神経が圧迫されるとそこより下方では麻痺などの障害が起きてしまします。ダックスフント、ビーグル、ペキニーズ、コッカースパニエルでは発生が多く、その他の犬種でも加齢にともない発生することがあります。 犬のの治療方法・対策 軽度のものでは運動制限と薬物療法で回復することもあります。しかし、進行したものでは手術が必要です。痛覚がなくなるような麻痺の場合、48時間以内に手術を行わないと手遅れになることが多く、回復後にも長期のリハビリテーションや、膀胱の感染の治療などが必要になります。 内科的治療の場合、最低でも四週間の厳密な安静が必要となる。この間の休養によって、椎間板物質の上に瘢痕が形成されていきます。良くなったと思い早く運動をや歩行させた時に、椎間板の他の部分がヘルニアを起こしてしまい悪くなる可能性があるので注意が必要です。一日に何回かは排便や排尿のために外へ連れ出すのはいたしかたありませんが、椎間板ヘルニアの早期の再発のほとんどの理由は、犬をじっとさせなかったことによるものですので、飼い主さんがじっと我慢して辛抱強く見守ってサポートしてあげてください。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |