猫の肝臓・すい臓の病気(肝臓・膵臓病)に関する情報

"動物の肝臓病は、人間と同様に、主に細菌が感染することによって発病します。ただし、肝臓病は病状が進行していっても、深刻な状態になるまでその症状を表に出さないため、気付いた時には手遅れになってしまっていることも多いので注意が必要です。

肝臓病の中には、動物だけではなく人間にも感染する人畜共通伝染病があります。そのため、ワクチンなどで事前に予防できる病気は、獣医の方と相談しながら混合ワクチンの接種を行うことをお勧めします。


ワクチン接種で予防できない肝臓病は薬剤や外科手術、点滴や輸血などで処置します。また食事療法を平行して行うこともあります。

また、肝臓は口にしたものを処理する機能があるため、偏った食事や他の病気の投薬などによっても肝臓病を招く恐れがあります。日頃から食生活に気をつけて、他の病気の薬を服用している場合には、その薬の強さや服用期間なども担当の獣医と相談しながら気にかけてあげると良いでしょう。"



» 猫の急性膵炎・慢性膵炎(膵臓炎)

猫のの症状と原因 膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎とに分かれます。 またそれらの中間型のようなものもあるようです。急性膵炎とは突然に発症する膵臓の炎症です。慢性膵炎は持続的に起こる炎症性の疾患で、永久的にその機能が障害される可能性があります。急性膵炎は慢性膵炎よりも多く診断される傾向にあります。年齢、性別、品種による好発傾向はあまり認められていませんが、わずかにシャム猫系に多いようです。臨床症状としてはあまり、特異的なものはなく、これがこの病気の診断をさらに難しくしているようです。 特に症状がは出ないときもありますが、たいていは元気がなくなったり、部分的あるいは完全な食欲不振がある(多くの猫は嗜眠傾向があります)ということです。しかし、これらは猫の病気の最初の症状としての状態で、多くの病気は、この2つの症状が出ますので、何も診断上の手掛かりになるものではありません。本来膵炎は消化器系の病気ですから消化器の病気の本来の特徴である嘔吐、下痢、腹痛等は20~30%ぐらいしかでないようです。その他の所見としては、脱水、黄疸、呼吸速拍、頻脈、低体温、等が認められます。 猫のの治療方法・対策 多項目の検査を行い、この間食事は3-4日(あるいはそれ以上)止めて、膵臓を休ませながら炎症が治って行くようにします。失われた水や電解質を点滴で補給するのも重要です。通常は自分で直って行くものですが、どんどん悪化するものでは輸血も行い、抗生物質などを投与することもあります。さらにショックに対する治療も行われます。

» 猫の脂肪肝(肝リピドーシス)

猫のの症状と原因 正常な猫では、体内の脂肪組織、食べ物から摂取した脂肪や、肝臓の間で脂肪酸の循環がおこなわれており、そのバランスが重要なのです。過剰に餌を与えると、摂取と消費の収支バランスが崩れ、肝細胞に過剰な脂肪が溜まっていくのです。特に肥満の猫ではなんらかのきっかけで4-5日食べない状況がでると一気に黄疸が出て死亡することもあり、これを肝リピドーシスといいます。 猫のの治療方法・対策 肥満動物は貯蔵脂肪が大量にあるため食事を取らないとエネルギー源として体脂肪を使い始めます。そしてますます脂肪酸の収支バランスをくずしてしまいます。よってこの治療法としては点滴や強制給仕でエネルギーとしてグルコースをあたえ、体脂肪からの動員をストップするような支持療法が中心となります。 脂肪肝、肝硬変などの病気になる傾向として、愛猫をかわいがっており、欲しがるままに餌を与え続けてしまった飼い主さんに多いです。症状が出てからでは手遅れになってしまっている場合も多く、飼い主さんやご家族の優しさが愛猫の不幸にし後悔することになってしまいます。 さらに肥満は脂肪肝だけでなく、糖尿病や、足腰の病気、皮膚病、呼吸器疾患等も引き起こします。これから先を見据えて、きちんとしたバラススの良い食事管理をしていきましょう。また、脂肪肝だけで、なんら無症状であり、肝硬変にまで至っていない状態だと回復は可能です。

» 猫の胆管肝炎症候群

猫のの症状と原因 肝臓や胆管に炎症がおこる病気です。メス猫よりもオス猫におおく見られがちな所があり発熱・食欲不振などの急性的症状が現れます。細菌感染によって化膿性の炎症がおこり小腸の病気や、すい臓の病気などからも併発する病気です。 猫のの治療方法・対策 ネコ自体の体力回復に努め、点滴治療をおこないます。細菌が原因の場合は抗生物質などの投与も考えられます。ただし、胆管が閉じているときは緊急な処置が必要になってきます。

» 猫の肝炎と肝硬変

猫のの症状と原因 肝炎にかかると、食欲不振や脱水症状、ひどくなると下痢や嘔吐などを繰り返し、発熱します。肝臓の働きの低下により黄疸が現れ白目や口の粘膜が黄色っぽくなったりすることがあります。ウィルスや細菌への感染によるものが多いようです。薬物や毒物なども注意が必要です。また、殺中剤を食べて弱っているネズミを猫が食べてしまうとさまざまな中毒症を引き起こし肝炎にもなりうるので、殺虫剤そのものだけへの警戒は危険です。 肝炎は、肝臓の細胞(肝細胞)が炎症をおこし、変性し、壊死する病気です。肝炎が悪化すると、肝細胞が繊維のような状態に変わり、肝臓のはたらきが大変悪くなります。「肝硬変」というのはこのような状態をいいます。猫は人間に比べて、肝炎や肝硬変にはなりにくいようですが、ウイルスや細菌に感染したり、薬物や毒物を呑みこんだ寄生虫に感染した、または免疫に異常が生じたなどが原因となって、猫が肝炎になることがあります。 猫のの治療方法・対策 猫の体力を保つように心がけることが大事です。それと併行して原因となっている病気を治療していきます。肝臓は症状が出にくい臓器の一つなので肝炎と診断された時には既に症状が進行しているケースが多いです。そのような事を踏まえて定期的な健康診断が予防と対策方法であろうと思います。 療法は、2~3週間によって輸血を行い、また肝臓のはたらきを回復させるために強肝剤を投与します。その間、猫が体力を失わないように安静を保つことが重要です。肝炎は一度、猫が回復したように見えても完治しておらず、後で再発が少なくありません。よって長期間にわたって投薬して、定期的に検査する必要があります。
猫の年齢表
(年) 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
大型犬
(歳)
1 5 10 20 27 33 39 45 50 55 60 65 70 74 78 82 86 90 93 96 99 102 105

※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。