心不全、感染症のほかにケガを負ってショック症状に陥ることもあります。ショック症状とは心臓は動いているが意識がない、血圧が異常に低下した状態の事をいいますが、呼吸はしているとしていない場合があります。全身の血圧の低下の状態が長く続くと、死んでしまう事もあるのでかなり危険な状態といえます。
ショック症状があるかどうかの見分け方は、歯茎を指で抑えつけ、白くなった部分が2秒以内に赤く戻れば正常の範囲内。2秒以上かかる場合はショック症状があるといえます。呼吸をしていなければ直ちに人工呼吸を。後は一刻も早く病院へ連れて行くことを考えて下さい。
現場では目で見る、手で触る、耳で聞くしか手だてははありませんが、まずは犬の状態を確認することが大切です。あくまでも応急手当は緊急時のとりあえずの処置です。できれば電話で専門家(獣医師)に助言をもらいながら、処置ができればベストです。そして、できるだけ早く病院に連れて行き、診断と治療は獣医師に任せましょう。誤った応急処置はかえって症状を悪くすることになりかねません。しかし、災害時などには、獣医師に電話をすることも、すぐに病院へ連れて行くこともできなくなる恐れがあります。こうした緊急事態は突然起こることなので、普段から最低限の応急手当の仕方を練習しておくとよいでしょう。
心臓が停止して、5分経過すると脳死が起こる。心臓マッサージで多少は血液が脳にも送られていることを考慮しても、15分間人工呼吸と心臓マッサージをしたにもかかわらず、もとに戻らない場合は、それ以上続けても助かる見込みはないと考えられます。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |