膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎とに分かれます。またそれらの中間型のようなものもあるようです。急性膵炎とは突然に発症する膵臓の炎症です。慢性膵炎は持続的に起こる炎症性の疾患で、永久的にその機能が障害される可能性があります。急性膵炎は慢性膵炎よりも多く診断される傾向にあります。年齢、性別、品種による好発傾向はあまり認められていませんが、わずかにシャム猫系に多いようです。臨床症状としてはあまり、特異的なものはなく、これがこの病気の診断をさらに難しくしているようです。
多くの猫は嗜眠傾向があり部分的あるいは完全な食欲不振があるということです。しかしこれらは猫の病気の最初の症状としての状態で、多くの病気は、この2つの症状が出ますので、何も診断上の手掛かりになるものではありません。本来膵炎は消化器系の病気ですから消化器の病気の本来の特徴である嘔吐、下痢、腹痛等は20~30%ぐらいしかでないようです。その他の所見としては、脱水、黄疸、呼吸速拍、頻脈、低体温、等が認められます。
多項目の検査を行い、この間食事は3-4日(あるいはそれ以上)止めて、膵臓を休ませながら炎症が治って行くようにします。失われた水や電解質を点滴で補給するのも重要です。通常は自分で直って行くものですが、どんどん悪化するものでは輸血も行うこともあります。さらにショックに対する治療も行われます。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |