犬の急性肝不全には様々な要因があります。ウイルス性や細菌性の感染症や、薬物による肝臓へのダメージ、事故などによる外的要因など多様です。肝臓の、細胞が死んでしまい(壊死)、肝臓が機能しなくなってしまった状態を肝不全と呼びます。
症状としては、嘔吐・下痢・多飲多尿などが、代表的ですが、ひどい場合は、黒色便・吐血などを伴います。特徴的な症状は黄疸です。白い犬では、皮膚で黄疸が簡単に確認できると思いますが、体色の濃い犬では、口の粘膜や、白目の部分が黄色くなってくることで黄疸を確認することができます。
急な疾患であるため、診断と治療は平行して行われます。最初の2-3日は食事も止めて点滴を行うことが多く、これで水と電解質の補給を行います。また肝性脳症の原因となるアンモニアを少なくする治療も重要です。あわせてビタミンや糖分の補給も点滴で行い、食べられるようになったら、蛋白を制限した食事を少量ずつ与え始めます。出血が激しいものでは、輸血やビタミンKの投与も行います。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |