体内の水分を代謝する機能が著しく低下したことにより、心臓や肺を包んでいる、胸膜腔内の隙間に体液が溜まってしまう病気です。原因は様々ですが、循環器や血管、血液、リンパ管などの異常や病気によって発症することが多いです。また、原因が不明のものもあります。溜まる体液にはリンパ液や血液、膿などがあり、その種類によって、乳び胸や血胸、膿胸などと言い換えることもあります。隙間に液体が溜まっていく事により、呼吸障害を起こします。呼吸することが辛そうになったり、あまり動きたがらなくなったりします。
軽度のものであれば、利尿液、アルブミン製剤、血管拡張剤などで体の水分を取り除き、食事療法を行うことで治るケースもありますが、薬の投与だけでは効果が薄い場合や緊急を要する場合には針を胸に指して水を抜きます。また、状況によっては開胸手術によって処置を施す場合もあります。原因となっている病気があれば、そちらの治療も行っていきます。水が溜まっても、必ず直ちに針や外科手術で水抜かなければいけないという事ではありません。治療時の負担を考えて、今すぐに抜かなくても問題ない場合には抜かずに様子をみることもあります。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |