膨らんだ胃がよじれて捻転を起こす、中年の大型犬(特に胸の深いコリーやセッターなど)に多く見られる病気です。急激に胃が膨らむため腹部が膨満し、吐き気、元気が無くなる虚脱等の症状が見られ、処置が遅れると、ショック状態に陥る可能性もあります。
原因は不明ですが、犬の胃の運動性の問題、食餌の種類や回数、運動などが発生と関係あるといわれています。この状態が続くと、各臓器や大血管が胃による圧迫を受けてうっ血し、血液循環が悪くなり、心臓にも影響を与え、死を招く危険があるので、動物病院での緊急の対処が必要です。
胃が膨らんで血液循環が悪くなるため、ショックと胃壁の壊死が起こることにより、 この病気は生命を脅かすものとなります。したがってまずショックに対する輸液と 薬物治療が行われ、次に口から胃に向かってチューブを入れて胃の中の空気を出します。チューブが入れられない場合には、外から胃に針を刺して空気を抜くこともあります。そして膨張がなくなった胃について詳細にレントゲン診断を行い、拡張だけなのか捻転をともなうのかを確認し、再発防止のために胃を固定する手術を行います。
★胃拡張・胃捻転とならないためには食事の回数を1回にしないこと。(最低でも2回に分ける)また、食後の急激な運動も避けることをおすすめします。
★胃拡張・胃捻転を注意したい犬種
コリー
シェパード
ボルゾイ
グレート・デーン
ボクサー
ジャーマン・シェパード
セント・バーナード
ドーベルマン
など大型犬
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |