鼻からの出血には、多量の鮮血が急激に出る場合や、少量に出血が何日も続いく場合などさまざまな出血の形があります。原因は鼻腔に問題がある場合とそうでない場合が考えられます。また症状によっては、鼻孔内の異物、花籾症による発作性の激しいくしゃみ、鼻粘膜の炎症を起こす細菌性や真菌性、ウイルス性の感染、とくに高齢犬に起こる鼻のポリープや腫瘍、フォンヴイレプラント病などの凝固系疾患、そして殺鼠剤中毒(ワルファリン)が原因と思われる出血も考えられます。
症状が軽い場合は安静にさえしていれば自然に止まって治る場合もあります。鼻出血が持続したり、原因不明で出血している場合には、速やかな獣医師の診察を受ける事をお薦めします。犬の血圧が下がって、ぐったりしたほど多量の出血があったり、重大な病気がありましたら、状況により内科療法のみではなく外科療法が必要になります。
自宅で鼻出血が起きた場合には、出血の量や出ていた時間帯などを飼い主さんが良く観察し把握しておく必要がある場合があります。これは動物病院に連れて行った際に、それらを参考にして鼻腔の検査や必要であればさらに全身の病気があるか否かの判断を下すからです。
また軽い怪我が原因による鼻出血の際には、安静にしていればほとんどは自然に止まりますが、この際に焦って止血しようと綿棒などを鼻腔に押し込むと人間に比べ鼻腔の入り口が狭い犬の場合、かえって出血が大きくなる場合もありますので注意が必要です。
※犬は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |