猫の水頭症は犬に比べて発生率は低いものです。子猫の頭部が異常に大きく、頭頂部の頭蓋が開いていたりする場合は、過剰に脳脊髄液が貯留している水頭症の可能性があります。症状は失明したり、急に興奮したり、一定の円を描いて回ったり、壁に頭を押しつけて、時には痙攣発作を起こしたりします。脳脊髄液が流れにくくなり大脳が圧迫されているための障害です。
先天性水頭症の原因は、胎児期に何らかの損傷が脳に起こる場合、シャムネコなどにおいては常染色体劣性遺伝形質を示す場合などがあります。後天性水頭症では、伝染性腹膜炎ウィルスなどによる感染からの併発や腫瘍・交通事故などによる頭部外傷があげられます。
診断は泉門が開いている場合には超音波検査により脳脊髄液が貯留した脳室を確認することができます。子猫に限らず成人した猫(後天性水頭症)においても水頭症は起こります。犬のように脳室や腹腔内シャント術が適応となる場合もある場合も稀にあります。脳圧を下げるために副腎皮質ホルモン薬と利尿薬を与えます。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |