眼房内は房水で満たされており、この水は前房内を循環して角膜と虹彩の隙間から眼球外へ排出されます。この水が何らかの理由で排出が阻害され、前房圧が上昇した状況を緑内障といいます。猫は隅角が広いために緑内障にはなりにくいと考えています。猫の緑内障は眼疾患で腫瘍・眼内炎などが続発するものがほとんどです。
軽度の場合は特に目立った症状は見られません。しかし、病状が進行していくとさまざまな症状が現れます。特徴的ものは瞳孔が開きっぱなしになる「散慟」と言う現象です。本来ネコの瞳孔は明るい所では細く閉じていますが、緑内障になると大きく開いたままになってしまいます。何らかの理由で角膜の後ろにある液体(房水)の分泌と流出とのバランスが崩れて房水が増えてしまうと眼圧が高くなりその結果、緑内障が発症するのです。
房水の量の調整をするため、炭酸脱水素酵素阻害薬・縮瞳薬などで眼圧をさげるようにします。時には、眼球摘出などの手術を行う場合もあります。急性緑内障は内服・点眼でコントロールされます。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |