眼球後方の脈絡膜を中心に炎症が起こる病気です。網膜にも炎症が波及してしまい、眼底検査によって網膜脈絡膜炎として診断されます。軽度の脈絡膜炎はほとんどが無症状で、偶然発見されることも少なくはありません。重度の場合には網膜剥離や眼底出血を起こしてしまい視力を失ってしまうケースもあります。
原因には、猫伝染性腹膜炎ウィルス・猫白血病ウィルス・猫免疫不全ウィルスなどの感染があげられています。眼底に出血や浮腫みなどが見られ、眼底が不鮮明な状態になります。
目薬(いわゆる局所治療薬)ではなく根本的な治療として全身性の薬で対処します。また、感染性が原因の場合は炎症を抑えるためにコルチコステロイド(副腎皮質ホルモン薬)を全身投与します。急性の炎症がみられる時には、ステロイド製剤を行ないます。
細菌・真菌の感染と考えられるならステロイド製剤は逆に病態を悪化してしまうので使用せずに、抗生物質や抗真菌薬をそれぞれ投与します。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |