肺などの気管が存在する胸膜に、なんらかの原因によって穴が空いて、胸腔内に空気が溜まってしまう事により、肺が正常な働き(伸縮)をするスペースを無くし、十分な呼吸ができなくなる病気です。多くの原因は他の猫とのケンカの際にできる傷や、高いところから落ちてしまった時に胸を強く打ちつける、交通事故などの外傷性によるものです。また肺炎や気管支炎など、呼吸器系の疾患にかかっていて、肺や胸壁が弱っている時に激しい咳き込みをしたことで穴が空く事もあります。症状は全般的に呼吸困難、よだれ、胸の痛みによる運動困難や胸を触られるのを嫌がる、などがありますが、外傷性の場合は涎に血が混じったり吐血することもあります。
初期段階や、胸腔に入り込む空気が止まっている状態であれば、安静療法、内科療法で穴が塞がるのを待つという方法がありますが、病院にかかる段階ではその大半が持続的に空気が溜め込まれており、酸素室での酸素吸入・および針などを用いて胸腔の空気を抜く処置が必要になります。他の病気があれば並行して治療にあたりますが、交通事故などの大きなケガの場合は、そのまま手術を行うことになるでしょう。 少しでも愛猫の負担が少なくすむように、異変が起きたらすぐに気づけるようにしましょう。外傷だけではなく、呼吸器の疾患にかかっていないかどうかも毎日チェックしてあげてください。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |