白内障は俗に「白そこひ」ともいわれ、水晶体(レンズ)が白くにごってしまう病気で、光が網膜に達しにくくなるため見えにくくなってしまいます。外傷性、糖尿病性老齢性などが原因として挙げられますが、猫ではヒトや犬のような老齢性のものは少なく外傷性のものが圧倒的に多いです。眼の表面が白くなってくると目立つので、これを白内障と言われる方が多くいますが、これは角膜混濁という病気で、白内障とは別のものです。痛みもなく徐々にくるので、飼い主さんは気がつきにくい病気の一つです。
5歳以下の若年性白内障と、それ以降の老人性白内障に分かれますが、猫では犬に多い遺伝的素因による白内障は殆ど見られず、大部分が外傷・眼内炎・緑内障など眼疾患に続発するものがほとんどです。理由は、はっきりしませんが、代謝異常よりタンパク質が変性を起こすためといわれる。まず、初発の時に進行を抑えるのが大事です。
薬で水晶体の白い濁りを取り除くことはできませんが、進行を抑えることはできます。また、手術によって水晶体を摘出する方法もありますが、完全に見えるようになるわけではありません。また、水晶体が原因となって眼内炎を起こす時があるので、脱臼した水晶体は摘出した方が安全です。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |