抗原(アレルゲン)に反応して起こる皮膚炎をアレルギー性皮膚炎とよび、そのなかで特に食物が抗原(アレルゲン)となりアレルギー反応を起こすものを食餌性アレルギー皮膚炎と呼びます。
アレルゲンとなる食物は多くは、タンパク質や炭水化物に原因があります。猫では牛肉・麦・乳製品が原因のおよそ1/3を占め、これらの食物が原因となることが更に多いようです。新しい食べ物に対して起こるよりもどちらかというと習慣的に食べていたものが原因となることが多いようです。食事を取ってから、だいたい数時間以内に皮膚が赤くなってきます。それから脱毛や皮膚が小さなブツブツが出てしまい、皮膚の表面がぽろぽろはがれるなどの皮膚炎の症状があらわれます。
アレルギーの原因と考えられる食べ物を突き止めるのは困難です。そのため、低アレルギー食に変えてみたり別の食事に変えるなどの処置をします。早ければ1週間後から皮膚の状態が改善されていく場合もあります。 食事性のアレルギーに関してはアレルギー専用食(アレルギーの原因となる食材が入っていないもの)だけを2ヶ月間与え、それで症状が軽快したならば食事性アレルギーと診断できます。
その後怪しいと思われる食材を一つずつ与えていくと安価かつ正確に食事性アレルギーの原因を診断できることがあります。低アレルギー食を与えているときは、他の食事は与えないようにします。抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤だけでは改善は難しいですが、これらを投与しながら、良質なタンパク質・脂肪酸を与えると症状が良くなることがあります。
※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。 |